住まいのデザインは、
家族の趣向や時代ごとのトレンド、
そして「どんな目的を持つ家か?」という
コンセプトによって決まっていきます。
では「守る家」というコンセプトを持つGQハウスは、
どんなデザインであるべきなのか。
私たちがGQハウスのデザインに込めた意味と想いを、
みなさんにお伝えさせてください。
Photo gallery
Design Philosophy
デザインすべてに「理由」がある家を。
斬新なデザイン性が目を引くGQハウス。
このデザインにはすべて意味や想いが込められ、目に見えない部分にまでこだわりが詰め込まれています。
GQハウスの「理由があるデザイン」を、デザイナーからご紹介します。
機能がデザインに見える家。
この家の最も特筆すべきポイントは、機能性をデザインに昇華させているところにあります。たとえば、駐車場と一体化した印象的な「巨大な勾配屋根」。これは、単に意匠的なものではなく、水と電気を自給自足するGQハウスのコンセプトを実現するために、雨水と太陽光を効率よく利用するという機能に基づきデザインしています。この家全体が雨水や太陽光を集めるための一つの設備であると考えたわけです。また、タイル貼りの内庭も、敷地内に降る雨を上手に集めて雨水タンクに届けるためのデザインです。そして、これら多彩な機能が盛り込まれていながら、デザイン自体は「シンプル」に見えることが、この家のシンボリックさをさらに際立たせてくれると考えています。
呼吸と体温調節をする
まるで一つの“生き物”。
また、「パッシブデザイン」もこの家のデザイン性を語るうえで重要なキーワードです。パッシブデザインとは、特別な機械装置を使わずに、建物の構造そのもので熱や空気の流れをコントロールし、快適な住空間を生みだす建築手法のこと。GQハウスの3方向の外壁は、窓の少ない閉ざされた面。もう一方は、内庭に対して開放的な開口部を持つ面になっています。この建物形状と開口部に面する吹抜けが、1階と2階の熱的な連続性を生みだします。これにより、冬期には日射の温かさを室内の奥深くまで届けることができ、夏期には涼しい風の通り道をつくりだし、エアコン利用を抑えてくれます。また、超断熱構造を採用しているため、冬は温かい空気を外に逃さず、夏は外からの熱の侵入を防ぎます。建物自体が生き物のように積極的に快適な室温を保とうとする家、それがGQハウスなのです。
内庭にボーダーレスな
心地よさを。
リビングに面した「内庭」にも様々なこだわりを込めています。内庭中央のシンボリックな広葉樹の植栽は、開口部が広いこの家のプライバシーを守る働きを持ち、夏には心地よい木陰をつくってくれます。また、一階の床と内庭をフルフラットにする設計手法を用いたため、屋内と外との“境目”を感じさせません。キッチンやリビング・ダイニングから内庭に向かってのびやかに繋がる広大な空間は、単に内と外を繋ぐ場ではなく、そこに家族や仲間が集い、季節ごとの愉しみ方が生まれる“みんなのお気に入りの場所”になることを願っています。
このデザインは社会へのメッセージでもある。
GQハウスは、美しくデザインされた家に機能を付け足していったのではなく、「守る家」というコンセプトのもとに、理想の住まいの機能を、窓や壁紙や床と同じように最初から建物のデザインの一部として組み込んだ家です。そしてこのコンセプチュアルな家は、デザインだけでなく、設計、工法、住宅設備、ICTなど多くのプロフェッショナルの協調から生まれた、社会に対する革新的な提案だと考えます。エネルギー問題や環境問題、これからの家族のくらしに対して、GQハウスが価値あるメッセージを発信する存在となることを願っています。
Architectural Designer
Sawara Architects
代 表
Wei-Haw Wang
Profile
- 1979年/台湾 台中市生まれ
- 2002年/台湾 東海大学工学部建築学科卒業
B.Arch, Department of Architecture - 2006年/英国University College London卒業
Dip.Arch, Bartlett School of Architecture - 2006年/PKS Architects Ltd入社
- 2007年/英国University College London卒業
M.Arch, Bartlett School of Architecture - 2007年/Kohn Pedersen Fox Associates, London Office入社
- 2011年/RIBA Part III 取得
- 2011年/ARB英国建築家登録委員会認定建築士 取得
RIBA王立英国建築家協会会員 取得 - 2013年/Sawara Architects Ltd設立