雨 について知る
私たちの水資源
「水の惑星」と呼ばれる地球。表面の約75%が豊かな水に覆われ、青く美しく輝いています。
地球上を巡る水の総量は太古の昔から変わらず、およそ14億km3と推定されていますが、実際はそのほとんど(約97.5%)が海水。さらに、淡水の大部分は氷や氷河、地下水として存在しており、私たち人間が直接利用できる水は、地球上の水の0.008%、約10万km3にすぎないのです。総量からみてほんのわずかといえるその水さえ、汚染が進み、安全に使える水の量はさらに減りつつあるのが現状です。
日本の降水量
私たちの水資源の源となるのが雨。世界では1年間に平均約800mmの雨が降りますが、雨が少なすぎる国がある一方で多すぎる国もあり、水事情は地域によってさまざまです。
日本は世界でも雨の多い国として知られており、年間降水量は世界平均の約2倍。降水量でみると、水の豊かな国であるといえます。
しかし、日本は狭い国土に対して人口が多いため、一人あたりの降水量は世界平均のわずか1/4程度。水資源量も、人口一人あたりでは世界平均を下回っています。すなわち、日本においても雨水はとても貴重なものであり、水資源として大切に活用しなければなりません。
降水量とは...
降水量は、観測時刻までの一定の時間に降った雨の量のこと。雨がどこにも流れずそのまま溜まった場合の水の深さで、mm(ミリメートル、ミリ)で表されます。たとえば「1時間で100mmの降水量」なら、降った雨が1時間に水深10cm溜まったということ。ちなみに、雪やあられなど固体の場合は、電熱で温めて水の状態に戻してから降水量を観測します。
日本の水資源
日本には1年間で約6,500億m3もの雨が降ります。そのうち私たちが水資源として使用できるのは、たった10%ほど。国土の2/3が山地である日本では、河川が急勾配で短く、降った雨は一気に海へ流れてしまいます。また、梅雨時や台風シーズンには雨が集中して降り、多くが洪水となってしまうことも。つまり日本では、降った雨はほとんど使われることなく海へ流れ出てしまっているのです。
さらに、日本では季節によって雨量に偏りがあります。雨の多い時季には水害が起きる一方で、雨の少ない時季には水不足に。そのため、水を貯めるダムなどもつくられましたが、国土の狭い日本では巨大なダムの建設が難しく、貯水量が限られています。
渇水は過去40年間で毎年起きていて、降水量が少ない年には全国各地でより深刻な被害が発生。そのうえ、気候変動により降水量は減少傾向にあり、極度に少雨となる年も増加しているため、安定的な水の確保はますます難しくなってきています。日本は雨に恵まれている国でありながら、水資源が豊富とはいえないのが現状なのです。
水を大切に使おう
日本では降水量が減少傾向にあるなか、水の使用量は年々増加しています。人口一人あたりの水資源量は世界平均以下でありながら、日本人一人あたりの生活用水の使用量は世界平均の約2倍。貴重な水資源を守るため、水の大切さに目を向けて、毎日の暮らしのなかでできることを考えてみましょう。
家庭での水の消費量が多い場所は、おふろとトイレ。
小さな工夫で多くの水を節約することができます。
- おふろ
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シャワーは吐水量を控えめにし、こまめに止めて使う
⇒入浴1回あたり約8L(1カ月で約960L)の節水に -
残り湯を洗濯や掃除に活用する
⇒洗濯1回あたり約90L(1カ月で約2,700L)の節水に
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シャワーは吐水量を控えめにし、こまめに止めて使う
- トイレ
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- 大小の洗浄レバーを使い分ける ⇒1回あたり最大2L、1カ月で約720Lの節水に
- 二度流しをしない ⇒1回あたり約6L、1カ月で約900Lの節水に
このほかにも、洗濯の回数を減らす、食材や食器を洗う際には水を流しっぱなしにしない、歯磨きや洗顔の際にはコップや洗面器に水をためて洗うなど、日常生活において節水のためにできることはたくさんあります。
雨水を適切にためて利用することで、水資源を守り、自然環境の保護に貢献することができます。
- 家庭でできる雨水利用(雨水をそのままためて使う)
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- 草木への水やり
- 洗車
- 掃除
- 打ち水
- あまみずを暮らしに
- 雨水は、古くから人々の生活を支え作物を育み、命をつなぐものとして大切にされてきました。
その価値をもう一度見つめ直し、暮らしをより豊かにする雨水利用を始めてみませんか。